子供の暖房器具やけどを防ぐ——暖房器具の事故の約6割はストーブ・ヒーター。柵・やかん・人感センサー・温風の注意点と着衣着火

子供の暖房器具やけどを防ぐ——暖房器具の事故の約6割はストーブ・ヒーター。柵・やかん・人感センサー・温風の注意点と着衣着火 家の中の安全

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朝晩が冷えてきて、そろそろストーブやファンヒーターを出そうかという時期。でも、はいはいやつかまり立ちを始めた子がいると「触ったらどうしよう」「どこまで離せば大丈夫?」と気になりますよね。

この記事では、消費者庁が公表している子どもの事故データと注意喚起をもとに、暖房器具によるやけどを防ぐ置き方・使い方と、厚着の季節に気をつけたい「着衣着火」の対策をまとめました。

先に結論を書きます

  • 消費者庁に寄せられた暖房器具等による6歳以下の事故357件のうち、約7割がやけど。原因はストーブ・ヒーターが約6割で最多でした。事故は11月から増え、12月・1月がピーク。
  • 床置きのストーブ・ヒーターは、子どもの手が届かない場所に置くか、安全柵で囲む。
  • 小さな子がいる部屋では、ストーブの上にやかんを置かない(柵につかまり立ちして、やかんが倒れた事故があります)。
  • 触らなくても温風や熱が当たり続けるだけでやけどになります。抱っこ中や寝かせる場所も、器具から十分に離す。
  • 人感センサー付きのヒーターは、小さな子がいる家ではセンサー機能を切り、止めるときは本体の電源が切れているか確認する。
  • 厚着の冬は、電気ストーブのような炎の出ない器具でも服に火がつく(着衣着火)ことがあります。

データで見る:子どもの暖房器具の事故は「ストーブ・ヒーターのやけど」が中心

消費者庁は2016年11月、暖房器具など冬に使う製品による6歳以下の子どもの事故情報357件をまとめて注意喚起しています(2009年9月〜2016年9月に医療機関などから寄せられたもの)。

原因になった製品 件数 割合
ストーブ・ヒーター 208件 約6割
こたつ 80件 22%
加湿器 46件 13%
湯たんぽ・あんか 14件 4%
その他 9件 ―

357件のうち約7割にあたる240件がやけどで、ストーブ・ヒーターの事故208件に限ると、やけどが185件(約9割)でした。事故は11月から増え始め、12月・1月がピークです。少し前のまとめですが、消費者庁はその後も2021年・2022年・2023年と、毎年のように同じ内容の注意喚起を出しています。

また、この資料では、事故の中に祖父母の家など、ふだんと違う場所で起きたものがあったことも指摘されています。自宅では使っていない石油ストーブなどは、大人も危なさに気づきにくいので、年末年始の帰省先でも注意が必要です。

実際に起きた事故(消費者庁に医療機関から寄せられた例)

  • ストーブの柵につかまり立ちをした際、ストーブの上のやかんが倒れて熱湯が下半身にかかり、入院(0歳10か月)
  • 寝返りをしてハロゲンヒーターに触り、手のひらにやけど。ヒーターの周りに柵はなかった(0歳6か月)
  • 保護者が抱っこしてテレビを見ていた間、子どもの脚がハロゲンヒーターから20〜30cmの距離で約30分熱を受け、赤くなった(生後1か月)
  • ガスファンヒーターから50cmほどの所で子どもを膝に乗せていたら、熱風が当たった足に水ぶくれ(生後1か月)
  • ファンヒーターの前で寝転がり、足に温風が当たって水ぶくれ(生後7か月)

「触ったら危ない」だけでなく、抱っこ中や寝かせている間に、熱や温風が当たり続けて起きていることが分かります。子どもは大人より皮膚が薄く、やけどが皮膚の奥まで届いて重くなるおそれがあると、消費者庁は注意しています。

やけどを防ぐ5つのポイント

① 床置きの暖房器具は「手が届かない場所」か「柵で囲む」

ストーブやファンヒーターなど床に置くタイプは、子どもの手が届かない場所に置くか、安全柵などで囲みます。消費者庁は、椅子やソファの近くに置かないことも挙げています(椅子から降りるときに手をついてやけどした例があります)。

② ストーブの上にやかん・鍋を置かない

やかんを置けるタイプのストーブでも、小さな子どもがいる部屋では置くのをやめます。子どもは湯気や音に興味を持ちます。ストーブの柵につかまり立ちをした際に、やかんが倒れた事故があります。

③ 温風・熱が当たり続けない距離をとる

直接触らなくても、熱気や温風が当たり続けるとやけどになります。抱っこして暖まるとき、赤ちゃんを寝かせるときは、器具から十分に離し、長時間当たり続けないようにします。

④ 人感センサー付きは、センサーを切って電源オフを確認

日本小児科学会に寄せられた事例では、止めていたはずの人感センサー付きヒーターが、近づいた赤ちゃんの動きに反応して温風を出し、頭にやけどを負いました。消費者庁は、小さな子がいる家では人感センサー機能を切り、止めるときは本体の電源がオフになっているか必ず確かめるよう呼びかけています。

⑤ 湯たんぽ・電気カーペットは長時間当てない(低温やけど)

暖かく感じる程度の温度でも、長時間同じ場所に当たると低温やけどになります。湯たんぽは布団が暖まったら出す、使う前にお湯漏れがないか確認することが勧められています。電気毛布については赤ちゃんに電気毛布を使っていい?——取扱説明書の【警告】に「乳幼児」と書かれている理由と、安全な使い方、加湿器については赤ちゃんがいる家の加湿器はどれ?——スチーム式は「蒸気と熱湯」、超音波式は「手入れ」。方式別の選び方と置き場所で詳しく書いています。

柵の選び方:ストーブガードか、部屋ごと区切るか

向いている家 向いていない家・注意点
暖房器具を囲むガード(ストーブガード・ヒーターガード) リビングの真ん中にストーブを置く/器具のまわりだけ囲めば足りる つかまり立ちで揺らすので、倒れにくさと器具との距離を確認。上にやかんは置かない
ベビーゲート・ベビーサークルで区切る 暖房器具の置き場所を部屋の一角にまとめられる ゲートを開けたままにしない。上の子が開けてしまうことも

買うときは、使う暖房器具の取扱説明書で、周りに空けておくべき距離などの注意を確認し、それに合う大きさのものを選んでください。

厚着の季節は「着衣着火」にも注意

NITE(製品評価技術基盤機構)は、ガスこんろのような炎が出る器具だけでなく、電気ストーブなど炎が出ない熱源に服が触れても、服が燃える・焦げる(着衣着火)ことがあると注意を呼びかけています。冬は厚着で、火がついても気づきにくくなります。

  • 熱源と服の距離を意識し、近づきすぎない。
  • 火のそばでは、袖やすそが広がった“だるだる”“もふもふ”の服、ひも付きの服を避ける。
  • もし服に火がついたら、すぐに水や消火器で消し、周りの人に助けを求める(すぐ脱げるなら脱ぐ)。服が脱げず、近くに水や消火器がないときは「止まって、倒れて、転がって」(ストップ、ドロップ&ロール)。走ると火が大きくなるおそれがあります。

東京都の資料(東京消防庁のデータ)によると、2018〜2022年の5年間に着衣着火の火災で13人が亡くなり、213人がけがをしていて、出火原因の約8割はガスコンロでした。NITEに通知された事故でも、死亡事故はすべて70歳以上でした。高齢者が中心の事故ですが、子どもにも「ストーブに近づきすぎない」「袖やすその広い服でストーブの前に立たない」を、年齢に合わせて伝えておくと安心です。

もしやけどをしたら(応急手当)

  • すぐに10分以上冷やす。刺激を避けるため、蛇口やシャワーの水を患部に直接当てない。
  • 服の上から熱湯がかかったときは、脱がさずに服の上から冷やす。
  • 市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません。
  • 広い範囲を冷やすときは、冷やしすぎて体温が下がらないよう注意する。
  • 全身の広い範囲や顔のやけどは、すぐに救急車。片足・片腕以上の広い範囲は救急車か至急受診。手のひら以上の広さや水ぶくれは、つぶさずに受診。
  • 電気カーペットなどによる低温やけどは、見た目より重いことがあります。悪化したり痛がり続けたりしたら受診を。

※冷やし方は、消費者庁の最新の注意喚起(Vol.610・Vol.641)に合わせています。

正直に書いておく点

  • 件数のデータは2016年のまとめです。最新の件数ではありません。ただ、2021〜2023年の消費者庁の注意喚起でも、やかんの転倒や温風によるやけどなど、同じような事故の例が紹介されています。
  • 柵をつけても、それだけで安全にはなりません。柵につかまり立ちしてやかんが倒れた事故があるように、「柵+やかんを置かない+距離をとる」を組み合わせてください。
  • 製品ごとの安全な距離は、この記事では決められません。暖房器具の取扱説明書の注意と、周りに空ける距離を必ず確認してください。

最後にちょこっとお勉強:低温やけどは「温度×時間」

消費者庁の資料では、皮膚が傷つく温度と時間の目安として、44℃では3〜4時間、46℃では30分〜1時間、50℃では2〜3分が紹介されています(製品安全協会「製品と安全」より)。44℃程度の、それほど熱いと感じない温度でも、長く当たればやけどになる、ということです。大人より皮膚が薄い子どもは、さらに注意が必要です。

よくある質問

Q. オイルヒーターは触っても大丈夫?

A. 表面温度は製品によって違うので、取扱説明書で確認してください。高温でなくても、長く触れていると低温やけどになることがあります。

Q. 祖父母の家に石油ストーブがある。どうすればいい?

A. 消費者庁の資料でも、祖父母の家で起きた事故が紹介されています。到着したら、ストーブの位置、やかんの有無、柵があるかを最初に確認し、子どもが近づけないように配置を相談しましょう。帰省先の注意点は帰省先の実家は赤ちゃんに危険がいっぱい——誤飲は帰省シーズンに多発。着いて10分の安全チェックにもまとめています。

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まとめ

子どもの暖房器具の事故は、ストーブ・ヒーターのやけどが中心で、11月から増えて12月・1月がピークです。床置きの器具は手が届かない所に置くか柵で囲み、上にやかんを置かず、温風が当たり続けない距離をとる。人感センサーは切っておく。暖房を出すこの時期に、置き場所を一度見直してみてください。

出典

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