【結論】パワーウィンドウは大根を切断する力で閉まる。対策は運転席の「窓ロックスイッチ」1つ
先に結論をお伝えします。JAFのテストで、パワーウィンドウが閉まる力は7〜34.6kgf——大根やゴボウがばっさり切れる力であることが確認されています。そして8歳の子供は両手を使っても閉まる窓を止められませんでした。首を挟まれた死亡事故も実際に起きています。対策の核心はたった1つ、運転席ドアにある「窓ロックスイッチ」を常時オンにすること。後部座席のスイッチが無効になり、子供が自分で窓を動かせなくなります。今日、乗る前にスイッチの場所を確認してください。
この記事を書いた人
私はメーカーの生産技術エンジニアとして14年間、工場の設備安全設計・リスクアセスメントに携わってきました。工場では人の力で止められない駆動部には必ず安全装置を付けます。パワーウィンドウは「子供の力では絶対に勝てない駆動部」です。
数字で見る危険——JAFテストの結果
①閉まる力は7〜34.6kgf……試験では大根もゴボウも切断されました。子供の指・手・首が挟まれたときに何が起こるかは、想像に難くありません。②子供は自力で脱出できない……8歳児は両手でも窓を止められず、30代女性でも片手では止められませんでした。挟まれた本人が助かる手段は、実質ありません。③「挟み込み防止機能」には死角がある……多くの車で防止機能は運転席の窓のみ。しかも閉め切る直前には挟み込みを感知しない領域があり、JAFのテストでは割り箸がそのまま挟まれました。幼児の細い指は、防止機能があっても守られない可能性があるのです。
事故が起こる3つの場面
①子供が自分でスイッチを操作する……顔や手を窓から出したまま、遊びでスイッチに触れる。最も多い構図です。②大人が後ろを確認せずに運転席から閉める……「窓閉めるよ」の声かけなしの一括操作で、外を見ていた子供の首・指を挟みます。③降車時の「開けたまま待たせる」……窓から身を乗り出した状態は、挟まれと転落の両方のリスクです。そもそも車内に子供だけを残すこと自体がNGです。
今日からの4つのルール
①窓ロックスイッチを常時オン……運転席ドアの窓スイッチ群にある、窓マークに斜線が入ったボタンです。オンにすると運転席以外の操作が無効になります。「必要な時だけ解除」を基本に。②窓を閉めるときは「閉めるよ」と声をかけ、目視してから……ミラー越しでなく振り返って、手・顔の位置を確認します。③窓から手・顔を出さないをチャイルドシートとセットで教える……正しくチャイルドシートに座っていれば、物理的に窓へ届きにくくなります。ベルトの緩みはこの意味でも危険です。④スライドドア・ドアの指はさみも同じ理屈で……電動スライドドアの閉まり際、ドアのヒンジ側も子供の指の定番事故です(指はさみ防止の記事参照)。
よくある質問(FAQ)
Q. 挟み込み防止機能付きの車なら安心では?
A. 補助にはなりますが、①全席には付いていない車が多い、②閉め切り直前の不感知領域がある、の2点で「安心」には足りません。窓ロック+声かけ+目視が基本で、防止機能は最後の保険です。
Q. 窓ロックすると大人も後席の窓を開けられず不便です
A. 運転席からは全席操作できます。「後席の窓は運転席が管理する」と役割を決めれば、不便はほぼありません。子供が「開けて」と言える関係のほうが、勝手に操作されるより安全です。
Q. もし挟まれてしまったら?
A. すぐにスイッチで窓を下げ、挟まれた部位を確認します。指や首を挟んだ場合は、外見が軽く見えても内部の損傷がありえます。腫れ・痛みが続く、首を挟んだ場合は受診してください。判断に迷ったら#8000へ。
まとめ
パワーウィンドウ対策は、①窓ロックスイッチ常時オン、②閉める前に声かけ+目視、③窓から手・顔を出させない(チャイルドシートの正しい着座)、④スライドドアの閉まり際も同じ警戒——の4つ。大根を切る力に、子供の力で勝てる方法はありません。スイッチ1つの習慣で封じてください。駐車場での乗り降りの安全は駐車場の死角の記事もあわせてどうぞ。
参考:JAFユーザーテスト「ゴボウも大根もばっさり切れるパワーウインドーの挟みこみ」/JAFユーザーテスト「パワーウインドー」


コメント