結論:市販の防災セットは「土台」。子供用品は自分で足す必要がある
「防災セットを買えば安心」と思われがちですが、市販セットに乳幼児用品はほぼ入っていません。ミルク・おむつ・離乳食は月齢で必要な物が変わるため、メーカーが同梱できないからです。とはいえ、水・食料・ライト・簡易トイレなどの共通部分をまとめて用意できる点は圧倒的に効率的。この記事では、市販セットの選び方と買ったあとに足すべき子供用品を整理します。
市販の防災セットを選ぶ3つの基準
① 人数分そろっているか
「1人用」「2人用」と表記されています。子供も1人としてカウントしてください。水や食料は体格が小さくても必要量はそれなりにあります。
② 中身が「逃げる」「守る」「生き抜く」を満たすか
避難用リュック(逃げる)、ヘルメット・軍手・ライト(守る)、水・食料・簡易トイレ(生き抜く)の3要素がそろっているかを確認します。安価なセットは「生き抜く」部分が薄いことがあります。
③ 監修者がいるか
防災士・消防士など専門家が中身を選定したセットは、抜け漏れが少ない傾向があります。自分で一から選ぶ自信がない場合は監修付きが安全です。
子供がいる家庭が「必ず足すべき」もの
ここが市販セットの弱点です。以下はほぼ確実に入っていないので、自分で追加してください。
- 液体ミルク・粉ミルク・使い捨て哺乳瓶……お湯も消毒も不要な液体ミルクが災害時は特に有効(詳しくはこちら)
- おむつ・おしりふき……サイズは半年で変わるため定期的な入れ替えが必要
- 離乳食・食べ慣れたおやつ……非常時は緊張で食欲が落ちるため、いつもの味が役立つ
- 子供用の携帯トイレ・補助便座……大人用便座を怖がる子は少なくない(詳しくはこちら)
- 母子健康手帳・保険証のコピー、常備薬
- 小さなおもちゃ・絵本……子供の不安をやわらげる。避難所で静かに過ごす助けにもなる
防災士監修の防災セット
ひとつずつ買いそろえる時間がない、抜け漏れが不安という場合は、専門家が中身を選定したセットを土台にするのが確実です。そこに上記の子供用品を足せば、家族向けの備えが完成します。
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セットを買ったあとにやること
- 中身を一度すべて出して確認する……何が入っていて何がないかを把握しないと、足すべき物が分かりません。
- 玄関や寝室に定位置を決める……押し入れの奥では持ち出せません。
- 半年に1回点検……水・食料・電池の期限、子供の成長に合わせたサイズや月齢の見直し。
中身の詳細なチェックリストは子供と赤ちゃんの非常持ち出し袋、何を入れる?にまとめています。停電対策はポータブル電源の選び方もあわせてどうぞ。
水の備蓄をどうするか
市販の防災セットに入っている水は、多くても数百ml程度です。家族分の飲料水は別に確保する必要があります。
子供がいる家庭では、水を買いに行くこと自体が負担になります。宅配水なら玄関まで届き、使いながら備蓄が入れ替わるので、期限切れも防げます。
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よく検索される疑問に答えます
Q. 防災セットはどこに置く?置き場所は?
持ち出し用は玄関が第一候補です。避難のとき必ず通る場所で、外に出る動線を止めないからです。ただし置き場所は1か所にまとめないことが重要です。家が傾いたり家具が倒れたりして、その一室に入れなくなる可能性があるためです。
- 玄関:持ち出し袋の本体(すぐ持って出る分)
- 寝室:夜の地震に備えて、靴・ライト・ヘルメットだけでも枕元に
- クローゼット・床下収納:数日分の水や食料など、持ち出さない備蓄
- 車の中:外出中に被災した場合の予備(夏は食品・電池の劣化に注意)
子供がいる家庭では、抱っこしながらでも片手で持てる位置・重さかを必ず一度試してください。棚の上や物置の奥は、抱っこ中には取り出せません。
Q. 防災セットは意味ない・いらないって本当?
「意味ない」と言われるのは、たいてい次のどれかが原因です。セット自体が不要なのではなく、買って終わりにすると機能しないということです。
- 中身を一度も開けていない → いざというとき使い方がわからない
- 家族構成に合っていない → 大人向けセットに子供用品が入っていない
- 期限切れ → 食料・水・電池・ミルクが使えない状態になっている
- 取り出せない場所にある → 押し入れの奥で、避難時に間に合わない
逆に言えば、買ったあとに開けて・足して・年1回見直すだけで、市販セットは十分に機能します。
Q. 自作と市販、どっちがいい?
市販セットを土台にして足すのがいちばん失敗が少ない方法です。自作は安く済みますが、専用の袋・ライト・簡易トイレなど「思いつきにくい物」が抜けやすいのが弱点です。逆に市販セットだけでは、おむつ・ミルク・子供サイズの物が足りません。
100均でそろえる場合は、ライト・ホイッスル・アルミブランケットなど単価の安い物に限定し、命に直結する物(ヘルメット、簡易トイレ、水の保存容器)は品質の確かな物を選んでください。
Q. 何人用を選べばいい?子供の分も1人分で数える?
子供も1人として数えてください。食べる量は少なくても、おむつ・着替え・おしり拭きなど大人より荷物が増えるからです。4人家族なら「4人用」を1つ買うより、2人用を2つに分けて大人が1つずつ背負うほうが、実際には持ち出しやすくなります(1つが極端に重くならないため)。
よくある質問
Q. 市販セットと自作、どちらがいい?
時間があるなら自作のほうが家庭に合った内容にできます。ただし抜け漏れが起きやすいのも事実。「市販セットを土台にして、子供用品を足す」が最も現実的です。
Q. 100均で全部そろえられる?
一部は代用できますが、ライト・ラジオ・簡易トイレは性能差が大きい分野です。いざというとき動かなければ意味がないため、命に関わる物は品質を優先してください。
Q. 何人用を買えばいい?
家族の人数分です。子供も1人として数えます。ただし持ち出す人が背負える重さには限界があるため、大人が背負う前提で分散させてください。
👉 防災週間(8月30日〜9月5日)に家族で見直すチェックリストと、目的別の記事一覧は子供用防災グッズおすすめ5選【逃げる・守る・生き抜く】にまとめています。
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この記事を書いた人
メーカーの生産技術エンジニアとして14年、設備の安全設計とリスクアセスメントに携わってきました。工場でも非常用品は「共通装備は一括調達、現場ごとの特殊装備は個別追加」が基本です。家庭の防災も同じ考え方で整理しました。
まとめ
市販の防災セットは共通装備を一括でそろえられる効率的な土台ですが、乳幼児用品は入っていません。買ったら必ず中身を出して確認し、ミルク・おむつ・離乳食・子供用トイレ・心を支える小物を足してください。そして玄関に定位置を決め、半年に1回の点検を。これで「子供がいる家庭の防災セット」が完成します。


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