赤ちゃんの冬の室温は何度?20〜23℃・湿度60%が目安——暖めすぎはSIDSリスク

赤ちゃんの冬の室温は何度?20〜23℃・湿度60%が目安——暖めすぎはSIDSリスク ケア・健康グッズ

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結論:冬の室温は20〜23℃、湿度60%程度。「暖めすぎ」はSIDSのリスクになる

冬の赤ちゃんの部屋は、室温20〜23℃・湿度60%程度が目安です。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」は、保育室環境のめやすを「冬20〜23℃、湿度60%」としています(保育室向けの目安ですが、当ブログでは家庭の寝室もこれを参考にしています)。冬は「寒くないように」と考えがちですが、米国NIHの「Safe to Sleep」は、暑くなりすぎた赤ちゃんはSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクが高くなるとしています。冬の室温管理は暖めること・暖めすぎないこと・乾燥させないことの3つのバランスです。

なぜ「暖めすぎ」が危ないのか

赤ちゃんは体温調節が未熟で、暑くても自分で布団をはいだり服を脱いだりできません。NIHは、室温に対して服や寝具を重ねすぎること(オーバーバンドリング)で赤ちゃんが暑くなりすぎるとしています。冬でも、厚着+高い室温+重い布団が重なると、体温が上がりすぎることがあります。

  • 着せすぎない……日本の公的機関による枚数の決まりは確認できなかったので、首の後ろやおなかを触って調整します。詳しくは赤ちゃんの服は何枚着せる?へ。
  • 布団をかけすぎない……重い掛け布団より、スリーパーのほうが顔にかぶらず安全です。
  • 暖房の風を直接当てない……乾燥しやすくなります。

室温の測り方——「エアコンの設定温度」では分からない

暖かい空気は上にたまりやすいので、床に近い赤ちゃんの寝床は、大人が顔の高さで感じる温度と違うことがあります。エアコンの設定温度ではなく、温湿度計を赤ちゃんが寝ている高さに置いて確かめてください。

冬の乾燥対策

暖房で湿度が下がると、のどや鼻が乾きやすくなります。保育所のガイドラインでは湿度60%がめやすとされ、加湿器を使うときは水を毎日交換するよう書かれています。

  • 加湿器……置き場所は赤ちゃんから離し、こまめに掃除を(雑菌の繁殖を防ぐ)。方式ごとの注意点は赤ちゃんがいる家の加湿器はどれ?で解説しています。
  • 洗濯物の室内干し・濡れタオル……手軽な加湿手段。
  • 加湿しすぎに注意……加湿しすぎると、結露やカビの原因になります。湿度計を見ながら調整してください。

暑がっているサインの見分け方

手足が冷たくても、それだけでは寒いとは限りません。英国NHSの地域サービス(Just One Norfolk)は、首の後ろやおなかが温かければ大丈夫で、腕や手足が冷たく感じるのはよくあることだと案内しています(同じページは英国の目安として室温16〜20℃を挙げており、日本の資料とは数字が違います)。首の後ろ・背中に手を入れて、汗ばんでいれば暑がっているサインです。顔が赤い、機嫌が悪い、寝汗をかいている場合は1枚減らしましょう。見分け方は赤ちゃんの寝汗がすごいで詳しく解説しています。

👉 冬は着せすぎと同時に、寝る姿勢も気になる時期です。寝返りでうつぶせになったら戻すべきかもあわせてどうぞ。

室内では、帽子を外してください

冬に見落とされやすいのがこれです。米国国立衛生研究所(NIH)は「室内では赤ちゃんの帽子を外す」ことを明記しています。屋内で帽子をかぶせたままにすると、体温が上がりすぎるためです。

寒い日に外から帰ってきて、そのまま寝かせてしまう。冬はこれが起こりやすい場面です。寝かせる前に、帽子を取ったか確認してください。

理由は記事の最後で説明しますが、赤ちゃんの頭は体に対する面積の割合が大人の約2倍あります。当ブログでは、ここを覆うかどうかも暑くなりすぎる要因の一つと考えています。

あわせて、顔と頭には何も掛けない状態にしてください。掛け布団が顔にかかるのを防ぐ意味でも、体温がこもるのを防ぐ意味でも重要です。

「暑がっているか」は、胸を触って確かめます

手足が冷たいかどうかだけで判断すると、まちがえることがあります。暑くても手足は冷たいことがあるからです。

NIHが挙げている「暑すぎるサイン」は次のとおりです。

  • 汗をかいている
  • 顔や皮膚が赤い・熱い
  • 胸を触ると熱い

NIHのサインにあるとおり、胸や背中に手を入れて確かめるのが目安です。汗ばんでいたら1枚減らしてください。

くわしくは赤ちゃんの寝汗がすごい——「手足が冷たい」で判断しないにまとめています。

冬にあわせて見直したい、SIDSの3つのポイント

こども家庭庁は毎年11月をSIDS(乳幼児突然死症候群)対策強化月間と定めています。平成11年度から続く取り組みで、SIDSが12月以降の冬期に発症しやすい傾向があるため、その手前で集中的に啓発を行うという趣旨です。

令和6年には55名の乳児がSIDSで亡くなっています。乳児期の死亡原因としては第3位です。

① 1歳になるまでは「あおむけ」に寝かせる

うつぶせ寝でもあおむけ寝でもSIDSは起きていますが、あおむけのほうが発症率が低いことが研究で分かっています。医学的な理由でうつぶせを勧められている場合を除き、あおむけで寝かせてください。

自分で寝返りを打つようになった場合の扱いは、寝返りでうつぶせになったら戻すべきかにまとめました。

② 無理のない範囲で母乳育児を

母乳で育てられている赤ちゃんのほうが発症率が低いことが分かっています。ただし事情はさまざまで、すべての人ができるわけではありません。授乳に不安がある場合は、病院や保健センターに相談してください。

③ 保護者等はたばこをやめる

これは冬にとくに注意が必要です。寒いからと窓を閉め切った室内で喫煙すると、煙は室内にとどまります。

妊娠中の喫煙はSIDSのリスクを大きく高めます。また本人が吸わなくても、周囲の人が吸ったたばこの煙(受動喫煙)も要因になります。NIHは家庭・車内など赤ちゃんが過ごす空間を禁煙・禁ベイプにすることを推奨しています。

なおSIDSは原因不明の病気で、窒息などの事故とは区別されます。予防方法は確立していません。上の3つは「守れば防げる」ものではなく、発症率を下げられるとデータで示されているという位置づけです。

よくある質問

Q. 冬、暖房は一晩つけっぱなしでいい?

当ブログの考えでは、夜中に室温が目安(20〜23℃)を大きく下回る家なら、タイマーで切れて明け方に冷え込むより、温度を控えめにしてつけておくほうが管理しやすいと考えます。ただし乾燥しやすいので、湿度計を見ながら加湿とセットで。

Q. 何℃を下回ったら危険?

「何℃から危険」という公的な線引きは、確認できた資料にはありませんでした。目安は保育室の20〜23℃です。数字だけにこだわらず、首の後ろやおなかを触って冷えていないか、汗ばんでいないかを確かめてください。

Q. 夏はどうすればいい?

同じガイドラインでは、夏は室温26〜28℃・湿度60%がめやすです。詳しくは赤ちゃんの夏の寝室は何度?をご覧ください。

最後にちょこっとお勉強:赤ちゃんが「暖めすぎ」に弱い理由

大人が快適な部屋でも、赤ちゃんには暑すぎることがあります。同じ部屋にいるのに、なぜ感じ方が違うのか。理由は3つあります。

① 体の大きさに対して、表面積が大きい

熱は体の表面から出入りします。ここで効いてくるのが体積に対する表面積の比です。

体を単純に立方体だと考えてみてください。1辺を2倍にすると、表面積は4倍ですが、体積(=熱を溜める量)は8倍になります。体が大きいほど、体積のわりに表面積が小さくなるということです。

赤ちゃんは逆です。体重あたりの表面積が大人よりずっと大きいので、環境の温度に振り回されやすい。寒い部屋では大人より速く冷え、暖かい部屋では大人より速く温まります。

② 頭の割合が大きい

やけどの面積を見積もる表(MSDマニュアル)では、体表面積に占める頭部の割合を、大人用の「9の法則」で頭頸部9%、小児用の表(Lund-Browderチャート)で0歳の頭部だけで約19%としています(大人は首を含めた数字です)。赤ちゃんの頭は、体に対して大人の約2倍の面積を占めているということです。

NIHは「室内で帽子をかぶせると暑くなりすぎることがある」として、室内では帽子を外すよう案内しています。面積の大きい頭を覆うことになるので、当ブログではこれも理由の一つと考えています。

③ 自分で調整できない

大人は暑ければ布団をはねのけ、服を脱ぎます。赤ちゃんはできません。着せた側が調整するしかないという前提で考える必要があります。

だから「掛ける」ではなく「着せる」なのです

当ブログの整理では、ここまでの3つが、公的な案内の形と重なります。

  • 掛け布団ではなくスリーパー——こども家庭庁も「1歳になるまでは掛け布団は使わず、スリーパーなどの着るものや空調で寒さを調整すると安心」としています。掛ける物は蹴ってしまえば効果ゼロ、顔にかかれば危険。着る物なら位置が変わりません
  • 室内では帽子を外す——室内で帽子をかぶせると暑くなりすぎることがあるため(NIH)
  • 手足ではなく胸で確かめる——手足は冷たく感じても普通のことがあるため(英国NHSの地域サービス)。暑すぎのサインは胸で見る(NIH)

「暖かくしてあげたい」という気持ちと、赤ちゃんの体の作りは、冬にかぎってすれ違いやすくなります。スリーパーの選び方では、季節ごとの厚み(TOG値)の考え方をまとめています。

この記事を書いた人

メーカーの生産技術エンジニアとして14年、設備の温湿度管理と安全設計に携わってきました。工場でも「設定値」と「実際の測定値」は必ずズレます。家庭の暖房も同じで、設定温度ではなく赤ちゃんが寝ている場所の実測が重要です。

まとめ

冬の赤ちゃんの部屋は室温20〜23℃・湿度60%程度。暖めすぎ・着せすぎはSIDSのリスクなので、着せすぎないように。温湿度計は赤ちゃんが寝ている高さに置き、首の後ろで暑がっていないか確かめる。加湿は60%程度で、やりすぎないこと。この3つで、冬の寝室の環境を整えやすくなります。

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参考

※本記事は一般的な情報であり、診断・治療に代わるものではありません。体調に不安があるときは医療機関にご相談ください。

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