「学童って、何年生まで行くものなんだろう」
制度上の答えは小学6年生までです。2015年度の法改正で、対象が「おおむね10歳未満」から小6までに広がりました。
ところが実態は違います。こども家庭庁の最新調査を学年別に並べると、ある学年で崖のように落ちます。
この記事では、その数字を示したうえで、「やめたあとの放課後に何が起きるか」を警察のデータから確認します。やめる・やめないの判断ではなく、やめたあとの設計が本題です。
データ:小3から小4で、13万9千人が抜けます
こども家庭庁「令和7年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」(令和7年5月1日現在)の学年別登録児童数です。
| 学年 | 登録児童数 | 構成比 | 前学年からの増減 |
|---|---|---|---|
| 小学1年生 | 456,418人 | 29.1% | — |
| 小学2年生 | 422,493人 | 26.9% | ▲33,925人 |
| 小学3年生 | 338,356人 | 21.5% | ▲84,137人 |
| 小学4年生 | 198,714人 | 12.7% | ▲139,642人 |
| 小学5年生 | 102,111人 | 6.5% | ▲96,603人 |
| 小学6年生 | 52,553人 | 3.3% | ▲49,558人 |
| 合計 | 1,570,645人 | 100% | — |
小3から小4で139,642人、率にして41.3%が学童からいなくなります。登録児童数そのものは過去最高を更新しているのに、この落差だけは毎年変わりません。
これがいわゆる「小4の壁」です。答えを先に言うと、多くの家庭が学童をやめるのは小4。ただし、その中身は一枚岩ではありません。
制度は小6まで。なのに、なぜ小4で減るのか
理由は大きく2つあります。片方は前向きで、もう片方はそうではありません。
理由① 子ども自身が行かなくなる
高学年になると、放課後の過ごし方が変わります。習い事、友達との約束、そして「学童は低学年の場所」という空気。親が卒業させるより先に、子どもが行きたがらなくなるケースが多くあります。
理由② そもそも入れない
同じ調査の待機児童数を見てください。
| 学年 | 利用できなかった児童数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 小学1年生 | 1,966人 | 12.0% |
| 小学2年生 | 1,805人 | 11.1% |
| 小学3年生 | 3,305人 | 20.2% |
| 小学4年生 | 5,589人 | 34.2% |
| 小学5年生 | 2,644人 | 16.2% |
| 小学6年生 | 1,021人 | 6.3% |
| 合計 | 16,330人 | 100% |
待機児童がいちばん多いのも小4です。全体の3分の1を占め、小1(1,966人)の約2.8倍。定員が限られる中で低学年が優先されるため、高学年から先にあふれます。
つまり小4で学童を離れる13万9千人の中には、「卒業した子」と「入れなかった子」が混ざっています。後者の家庭にとって、これは選択ではありません。
やめると、放課後に「3時間の空白」ができます
学童に通っているあいだ、終了時刻はかなり遅くまで確保されています。
| 平日の終了時刻 | クラブ数の割合 |
|---|---|
| 17:00まで | 0.4% |
| 17:01〜18:00 | 15.7% |
| 18:01〜18:30 | 21.7% |
| 18:31〜19:00 | 54.9% |
| 19:01以降 | 7.4% |
18時半を超えて開いているクラブが約62%。だから学童があるうちは、多くの家庭で「親の帰宅」と「子どもの帰宅」がほぼつながります。
やめると、この接続が切れます。小学校の下校は学年にもよりますが15時前後。親の帰りが18時なら、そこに約3時間が空きます。
この3時間は、内訳を分けて考える必要があります。
- 帰り道(学校から家まで)
- 玄関を開ける瞬間(鍵を出して、開けて、入るまで)
- 家の中にいる時間(いちばん長い)
その時間帯が、統計上いちばん危ない時間帯です
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
大阪府警察が公表している令和7年中の「声掛け等事案」(性犯罪等の前兆とみられる声掛け・つきまとい)の集計を見てください。府内で年間480件が認知されています。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 時間帯 | 午後3時台〜午後5時台に多い |
| 場所 | 道路上 70%/公園 20%/住宅・共同住宅 4% |
| 発生時の人数 | 1人でいるとき 47%/2人 24%/3人以上 25% |
| 対象の性別 | 女子 63%/男子 36% |
並べると、こうなります。
午後3時台から5時台に、道路上で、1人でいる子ども。
これは「学童をやめた子の帰り道」そのものです。学童に通っていれば、下校から18時半まで大人の目がある場所にいます。やめた瞬間、まさにこの条件に入ります。
もうひとつ、見落とされがちな数字があります。男子が36%です。「うちは男の子だから」という安心は、データに支えられていません。声かけ事案の手口については子供への「声かけ事案」は誘拐の前兆にまとめています。
※このデータは大阪府警察の集計であり、全国値ではありません。ただし「下校時間帯・道路上・単独」という組み合わせは、各地の警察が共通して注意喚起している傾向です。お住まいの都道府県警のサイトでも同種の統計が公開されています。
3つの空白を、それぞれ別の手段で埋めます
ひとつの道具で全部を守ろうとすると、どれも中途半端になります。空白ごとに担当を決めるのが確実です。
空白① 帰り道——「1人にしない」が最優先
統計が示すとおり、単独が最大のリスク因子です。可能なら複数で帰る、難しければルートを固定する。そのうえで防犯ブザーを持たせます。全国防犯協会連合会の推奨規格を満たすものを選んでください。→ 防犯ブザーの選び方
居場所の把握には見守りGPSが向きます。ただし多くのGPSは通話できません。「どこにいるか」は分かっても「どうしたか」は聞けない、という限界があります。→ キッズケータイと見守りGPSはどっち?/学校への持ち込み可否は見守りGPSは学校に持ち込める?
空白② 玄関を開ける瞬間——鍵を見せない
鍵を首から下げる、手に持って歩く。これは「今から誰もいない家に入ります」と周囲に知らせているのと同じです。ランドセルの中でリールやカラビナに固定し、玄関前で取り出す形にします。
閉め出しも実際によく起きます。鍵を忘れて外で待ち続ける、内側から間違えて施錠して開けられなくなる。スマートロックか、近所・親族への合鍵預けで物理的に解決しておくと確実です。
鍵そのものを持たせない方法もあります。指紋で開ける後付けのスマートロックなら、玄関前で鍵を探す時間がなくなり、子供が家に入ったことを親のスマホで確認できます(通知には別売りのハブが必要)。選び方と注意点は鍵っ子は何年生から?にまとめています。
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空白③ 家の中——長さの割に、道具が少ない
3時間のうち大半がここです。にもかかわらず、親が用意する道具がいちばん少ないのもここです。
基本は「気づける」ようにすること。帰宅通知、室内カメラ、双方向で話せる端末。あわせて火・水・高いところを物理的に塞ぎます。コンロはチャイルドロック、給湯器は電源オフ、浴槽の水は抜く、ベランダの踏み台になるものをどける。→ 窓・ベランダの転落防止
具体的な製品は小学生の留守番安全グッズおすすめ3選に、年齢や条件での判断は小学生の留守番は何歳から?にまとめています。
「気づいたあと、誰が行くか」だけが残ります
ここまでの道具は、すべて「気づく」ための道具です。GPSは居場所を教え、カメラは様子を映し、通知は帰宅を知らせます。
でも、気づいたあとに家へ行けるかどうかは別の問題です。職場から戻るのに40分かかるなら、その40分は誰も埋められません。
ホームセキュリティは、この部分だけを担当するサービスです。異常を検知したときに警備員が駆けつけます。子どもが非常ボタンを押したときの対応も含まれます。
ただし、すべての家庭に必要なものではありません。判断材料を正直に並べます。
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 週4〜5日、3時間前後の留守番が続く | 留守番が週1〜2回・1時間以内 |
| 親の職場が遠く、すぐに戻れない | 親や祖父母が10分以内に行ける |
| 在宅時の防犯(侵入対策)も考えたい | 目的が「居場所の把握」だけ |
| 月額費用を許容できる | 初期費用・月額をかけたくない |
「向いていない」に当てはまるなら、見守りGPSや室内カメラのほうが釣り合います。月額を払い続ける価値があるのは、空白が長く、かつ自分では埋められない家庭です。
費用は家の広さ・間取り・地域で変わるため、カタログ価格だけでは比較になりません。まず資料を取り寄せて、自宅の条件で見積もるのが確実です。セコムは資料請求が無料でできます。
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ALSOKと比べる
ホームセキュリティは1社だけで決めず、2社の資料を並べて比べるのが確実です。当ブログはALSOKとも提携しています。ALSOKの公式サイトに載っている内容を整理しました。
| 項目 | HOME ALSOK Connect(オンラインセキュリティ)の公式記載 |
|---|---|
| 帰宅時 | スマホを持って帰宅すると自動で警備解除。外出時はワンタッチで警備開始 |
| 異常時 | 侵入・火災などをセンサーが感知するとALSOKへ自動通報+スマホに通知、警備員が駆けつけ(センサー感知による駆けつけは無料) |
| 非常ボタン | 身の危険を感じたときに押すと通報できる遠隔非常ボタン |
| 費用の例(戸建て) | レンタルプラン 月額7,865円+工事費47,850円/初期費用0円のプラン 月額8,668円(税込・一般的な例) |
| 契約期間 | 5年(以降1年ごとの自動更新) |
正直に書いておく点:自動解除はスマホを持っている人が前提の仕組みです。子供がスマホを持っていない場合にどう操作するかは、資料請求や見積もりのときに必ず確認してください。アパート・マンション向けのプランもあります。
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その前に:学童以外の「居場所」を確認してください
道具の話をする前に、まだ選択肢が残っている可能性があります。
同じ調査によると、待機児童がいる377市町村のうち205市町村(54.4%)が、放課後児童クラブ以外に、自治体が関与する放課後の居場所を提供する事業を持っていました。
放課後子供教室、公設の児童館、自治体独自の預かり事業など、名称は地域によって違います。学童の窓口では案内されないこともあるので、「学童以外の放課後の居場所はありますか」と明示的に聞いてください。
民間学童という選択肢もありますが、費用は公設よりかなり高くなります。まず無料または低額の公的な選択肢を調べてから、有料の手段を検討する。この順番が経済的です。
よくある質問
Q. 学童は本当に小6まで使えるのですか?
A. 制度上は使えます。2015年度の法改正で、対象が「おおむね10歳未満」から小学6年生までに明確化されました。ただし定員の都合で高学年が入りにくい自治体が多く、実際の待機児童も小4が最多です。「制度上可能」と「実際に入れる」は別物だと考えてください。
Q. 小4から留守番させるのは早すぎませんか?
A. 日本の法律に年齢の定めはありません。児童虐待防止法が見ているのは「長時間の放置」かどうかで、年齢は書かれていません。判断の材料は小学生の留守番は何歳から?に整理しました。
Q. 上の子がいれば安心ですか?
A. 声かけ事案の統計では2人でいるときが24%、3人以上でも25%発生しています。単独よりは減りますが、ゼロにはなりません。また家の中では、下の子の世話が上の子の負担になり「言い出せない」状態を生みやすくなります。
Q. 何月から準備すればいいですか?
A. 年度が替わる4月に一気に変わります。学童の申し込みは自治体によって12月〜1月が多いため、秋のうちに「来年度は入れそうか」を確認しておくと、落ちたときの手当てが間に合います。
まとめ
- 学童は制度上は小6まで。でも実態は小3→小4で139,642人(41.3%)が離脱
- その中には「卒業した子」と「入れなかった子」の両方がいる(待機児童も小4が最多)
- やめると放課後に約3時間の空白ができる。学童の62%は18時半以降まで開いている
- その時間帯は声かけ事案が最も多い時間帯(15〜17時台・道路上70%・単独47%)
- 空白は「帰り道」「玄関」「家の中」に分けて、別々の手段で埋める
- 道具はすべて「気づく」ためのもの。気づいたあと誰が行くかだけは別に考える
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