【結論】プール後の耳トラブルの多くは「水」より「耳掃除のしすぎ」が原因。綿棒でグリグリはNG
先に結論をお伝えします。「プールで耳に水が入ったから外耳炎になる」と思われがちですが、実は逆です。普段からの耳掃除・耳いじりのしすぎで外耳道の防御機能が落ちているところに水が入ると、外耳炎になります。耳あかには殺菌・保護の役割があり、耳掃除は月1回程度で十分。プールの後に「水を出そう」と綿棒でグリグリするのは、むしろ外耳炎を招く行為です。正しい対処は、触らず、自然に乾かす——これだけです。
この記事を書いた人
私はメーカーの生産技術エンジニアとして14年間、設備の保全・メンテナンスに携わってきました。「過剰なメンテナンスは、かえって故障を招く」——これは保全の世界の常識です。耳のケアもまったく同じで、やりすぎが一番よくありません。
なぜ「耳掃除のしすぎ」が外耳炎を招くのか
①耳あかは”守るための物”……耳あかには殺菌作用があり、外耳道を保護しています。取りすぎると、この自浄作用と防御機能が失われます。②綿棒は耳あかを奥に押し込む……取っているつもりで、実は奥に詰めていることが多い。同時に外耳道の皮膚を傷つけます。③傷+水=細菌の温床……傷ついた皮膚にプールや入浴の水が入ると、細菌や真菌が繁殖しやすくなります。つまり「きれいにしよう」という善意のケアが、外耳炎の下地を作っているのです。プール後に綿棒で水を取ろうとするのは、この最悪の組み合わせを自分で作る行為です。
プール後の正しい耳ケア——「乾かすだけ」
①耳を下に傾けて、自然に水を出す……頭を傾けて片足でトントン、で十分。水は自然に出ます。②タオルで外側だけ拭く……耳の入り口までをそっと拭く。奥には入れません。③自然乾燥させる……どうしても気になる場合は、ドライヤーの冷風〜弱温風を離して当てる程度に。④綿棒を耳の中に入れない……水を吸い取ろうとしても、傷と押し込みのリスクのほうが大きいです。健康な耳なら、入った水は自然に排出・蒸発します。
受診したほうがいいサイン
次のような症状があれば、自己流のケアをやめて耳鼻科を受診してください。①耳を痛がる・耳を引っ張ると痛がる(外耳炎の典型)、②かゆがって耳をよくさわる、③耳だれ(黄色い分泌物)が出る、④聞こえが悪そう・呼びかけへの反応が鈍い、⑤発熱を伴う。特に小さい子は自分で「耳が痛い」と言えないので、しきりに耳をさわる・機嫌が悪いのがサインになります。市販の点耳薬を自己判断で使わず、原因(外耳炎か中耳炎か)を医師に診てもらうのが確実です。応急手当の備えは家庭用救急グッズの記事にまとめています。
そもそも水を入れない工夫も
耳に水が入りやすい子や、外耳炎を繰り返す子には、入りにくくする工夫も有効です。①水泳用の耳栓……気になる場合の選択肢。ただし合わない耳栓は逆に押し込むので、フィットするものを。②潜りすぎない……深く潜るほど水圧で水が入りやすくなります。③ゴーグルで目も守る……プールでは目のトラブルも起きます(スイミングゴーグルの記事)。水遊び全体の安全はビニールプールの記事、川や海ならライフジャケットの記事もどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 中耳炎とは違うのですか?
A. 違います。外耳炎は「耳の入り口〜鼓膜の手前」の炎症で、耳を触ると痛むのが特徴。中耳炎は「鼓膜の奥」の炎症で、風邪に伴うことが多く、水泳が直接の原因ではありません。どちらも受診で見分けられます。
Q. 耳あかは全く取らなくていい?
A. 基本的に自然に排出されるので、頻繁な掃除は不要です。気になる場合も月1回程度、入り口付近だけ。奥まで取ろうとしないでください。
Q. プールに入る前にできることは?
A. 前日に耳掃除をしすぎないことです。「きれいにしてから」が逆効果になります。傷のない健康な耳が、最も水に強い状態です。
まとめ
プール後の耳ケアは、①耳掃除のしすぎこそが外耳炎の原因、②綿棒でグリグリは禁物、③傾けて自然に水を出す・外側だけ拭く、④痛がる・耳だれ・かゆがるは受診、⑤耳あかは月1回で十分——が基本です。「触らないこと」が最高のケア。良かれと思ったお手入れを、夏こそ控えめにしてください。


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