備蓄水は家族で何リットル必要?——4人家族なら3日で36L、1週間で84L

備蓄水は家族で何リットル必要?——4人家族なら3日で36L 防災・緊急グッズ

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「水は3日分」とよく言われます。では、4人家族だと何リットルになるのでしょうか。

先に答えを書きます。

  • 3日分=36L(2Lペットボトルで18本)
  • 1週間分=84L(同42本)

「1人1日3L × 人数 × 日数」という掛け算です。この記事では、その3Lがどこから来た数字なのか、なぜ「3日」ではなく「1週間」と言われるようになったのか、そしていちばんの壁である「置き場所」をどうするかまでを、公的資料の原文に当たって整理します。

根拠:国が示している目安は「1人1日3リットル」

この数字の出どころは、首相官邸の防災ページです。家庭で備える例として、こう書かれています。

飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)

※ 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。

この目安をそのまま人数と日数で掛けると、次のようになります。

家族の人数 3日分 1週間分 2Lボトル換算
(1週間分)
1人 9L 21L 約11本
2人 18L 42L 21本
3人 27L 63L 約32本
4人 36L 84L 42本
5人 45L 105L 約53本

4人家族なら、3日分で36L、1週間分で84L。2Lペットボトルの箱(6本入り)でいうと、1週間分は7箱です。

東京都のツールで計算すると「33L」でした——子供は大人より少ない

東京都が公開している東京備蓄ナビは、一緒に住んでいる人の性別・年代を入力すると、必要な備蓄量を品目ごとに出してくれるツールです。実際に入力して、水の量だけを取り出しました。

家族構成 ツールが示した水の量(3日分)
大人2人 18L
大人2人+乳幼児1人 26L
大人2人+小学生2人 33L
大人2人+乳幼児1人+小学生1人 33L

(いずれも住居は戸建て・ペットなしで入力。ツールが示す期間は3日分です。)

大人2人は18L。これは1人1日3Lそのままです。一方、4人家族は36Lではなく33Lでした。

差を引き算すると、小学生は1人1日あたり約2.5Lで計算されていることが分かります。これは筆者が表の差分から求めた数字で、東京都が内訳として公表しているものではありません。ただ、体の小さい子供は必要量も少ない、という考え方で計算されているのは確かです。

つまり「1人1日3L」は、大人を基準にした安全側の目安です。子供がいる家庭では実際にはもう少し少なくて済みます。ただし、多めに持っていて困ることはありません。迷ったら3Lで計算してください。

なぜ「3日」ではなく「1週間」と言われるようになったのか

農林水産省の家庭備蓄ポータルに、理由がはっきり書かれています。

過去の経験によれば、災害発生からライフライン復旧まで1週間以上を要するケースが多くみられます。また、災害支援物資が3日以上到着しないことや、物流機能の停止によって、1週間はスーパーマーケットやコンビニなどで食品が手に入らないことが想定されます。

整理するとこうなります。

  • 3日=支援物資が届き始めるまでの時間
  • 1週間=水道などのライフラインが戻るまでの時間

同じページには「お住まいの地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも大切です」とも書かれています。ハザードマップで自宅の条件を確認したうえで、日数を決めてください。

見落としやすいのは「飲まない水」

首相官邸のページには、もうひとつ注記があります。

飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えをしておきましょう。

36Lや84Lは「飲む・調理する」ための量です。手を洗う、体を拭く、食器をすすぐ、トイレを流す——これらは別枠になります。

特にトイレは、子供がいる家庭ほど回数が多くなります。東京備蓄ナビでは、大人2人+小学生2人の4人家族に対して携帯トイレ・簡易トイレ60回分(3日分)が示されました。水で流そうとすると、それだけで何十リットルも消えます。災害用の携帯トイレ・簡易トイレの選び方に、必要数の考え方をまとめています。

「水道水を汲んでおく」は何日もつのか

ペットボトルを買い足す前に、まずやっておけることがあります。ただし日数には限りがあります。

水道水は、塩素による消毒効果により3日程度は、飲料水として使用可能です。フタのできる清潔な容器に口もといっぱいまで水道水を入れて、しっかりとフタを閉め、直射日光を避けて、室温の低い所に保存しましょう。

農林水産省の説明です。汲み置きの水道水は3日程度。「口もといっぱいまで入れる」のは空気に触れさせないためで、ここを守らないと日数はさらに短くなります。備蓄の本体にはできません。断水した直後に、風呂や容器に確保するための手段だと考えてください。

市販の水の期限についても、同じページに書かれています。

保存水と呼ばれるミネラルウォーターの賞味期限は、5年~10年。通常のミネラルウォーター(約2年程度)の2倍から5倍ほど長持ちする

「5年保存水」と、スーパーで売っている普通の水は別物です。普通の水で備蓄するなら、飲みながら買い足す前提になります。

本当の壁は「84Lをどこに置くか」

ここまで数字を並べてきましたが、備蓄水で挫折する理由のほとんどは量ではなく置き場所です。

4人家族の1週間分=84L=2Lボトル42本=6本入りの箱で7箱。1箱が約12kgあります。買うのも、運ぶのも、置くのも、そして2年ごとに入れ替えるのも、すべて負担になります。

だから多くの家庭が「とりあえず3日分」で止まります。それ自体は悪いことではありません。ゼロよりはるかにましです。ただ、1週間分に届かせたいなら、置き方そのものを変える必要があります。

置き場所で挫折するなら——農林水産省が挙げているもう一つの方法

意外に思われるかもしれませんが、家庭備蓄の公的ガイドは、宅配水を選択肢として明記しています。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」の水の章です。

日常的に飲んで買い足す。

定期的に水が配達されるウォーターサーバーもおすすめ。

注)停電時も水が出せるタイプが災害時も安心

玄関まで届き、飲んだ分だけ入れ替わるので、「重い箱を運ぶ」と「期限切れ」の両方が同時に消えます。

ただし、備蓄目的で選ぶなら条件が2つあります。ここを外すと、災害時にまったく役に立ちません。

条件① ボトルが手元に残るタイプであること

水道に直結する浄水型(水道水を濾過するタイプ)は、月額が安く人気ですが、断水すると水が1滴も出ません。備蓄の代わりにはならないので、目的が防災なら選ばないでください。ボトルで届く天然水・宅配水タイプであれば、届いたボトルがそのまま備蓄水になります。

条件② 停電したとき、ボトルから水を出す手段があること

ここが、あまり書かれていない落とし穴です。ウォーターサーバー本体は電気で動きます。停電すると、ボタンを押しても水は出ません。

これはメーカー自身が認めていることです。オーケンウォーターは2026年7月にポータブルボトルスタンドという製品を発売していて、その案内文にこう書かれています。

ウォーターサーバーが使えない停電時でも、重いボトルを持ち上げることなく、つまむだけで簡単に注水できるのが特長です。

12Lのボトルに専用の蛇口を取り付けてスタンドに載せる、という製品です。価格は3,600円(税込)のところ3,190円(税込)と案内されています(2026年9月時点。最新の価格は公式サイトでご確認ください)。東日本大震災での教訓から生まれたとも書かれています。

つまり、宅配水を備蓄として機能させるには「ボトル+停電時に注ぐ道具」がセットです。サーバーを置いただけでは、停電した瞬間に12Lのボトルを抱えて傾けることになります。子供がいる家庭では現実的ではありません。

この点まで公式に書いている会社は多くありません。防災目的で宅配水を検討するなら、まずボトルの容量・空ボトルの扱い・停電時の注水方法を公式サイトで確認してください。

→ オーケンウォーターの公式サイトを見る

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なお、ウォーターサーバーを子供のいる家庭に置くときは、やけどの対策が別に必要です。温水でのやけど事故は1歳以下に集中しています。チャイルドロックの方式によって、子供が解除できてしまう確率がまったく違います。詳しくはウォーターサーバーで子供がやけど——事故の75%は1歳以下にまとめました。

よくある質問

Q. 4人家族で、本当に84Lも必要ですか?

A. 「1週間分を全部ペットボトルで持て」という意味ではありません。水道水の汲み置き、風呂の残り湯、宅配水のボトル、給水車——複数の手段の合計で1週間をしのげればよい、という考え方です。まず3日分(36L)を確実に置き、残りを別の手段で埋めるのが現実的です。

Q. お茶やジュースでもいいですか?

A. 農林水産省も「水以外にも、日頃から飲んでいるお茶や清涼飲料水などがあれば一緒に用意しておきましょう」としています。ただし調理には使えません。アルファ米や粉ミルクに使う分は、水で確保してください。

Q. 赤ちゃんがいる場合は?

A. 東京備蓄ナビで「大人2人+乳幼児1人」と入力すると、水26L(3日分)に加えて粉ミルク(スティックタイプ)18食・液体ミルク18食・おむつ30個が示されました。液体ミルクは水も熱源も要らないため、断水・停電の両方に効きます。子供の非常食と液体ミルクの備蓄で、ローリングストックの回し方と合わせて解説しています。

Q. 期限切れが心配です

A. 買い置きを日常的に飲んで、減った分を買い足すローリングストックにすれば、期限切れは基本的に起きません。農林水産省が推奨している方法です。

まとめ

  • 目安は1人1日3L。4人家族なら3日で36L、1週間で84L(首相官邸)
  • 東京備蓄ナビで年齢別に計算すると、大人2人+子供2人は33L(3日分)。子供は大人より少なくて済む
  • 「1週間」の根拠はライフライン復旧に1週間以上かかるケースが多いから(農林水産省)
  • これは飲む・調理する水の量。トイレなどの生活用水は別枠
  • 汲み置きの水道水は3日程度。保存水は5〜10年、普通のミネラルウォーターは約2年
  • 置き場所で挫折するなら宅配水も選択肢。ただし浄水型は断水時に使えず、サーバー本体は停電時に使えない

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出典

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